広い世界の夢物語 サバイバル 「風よし!!舵よし!!ん―――、実に快適、巡航は順調だ。しかしノロイな、コリャ。おい航海士!何とかしろ」 「何ともなりません、キャプテン・ウソップ」 船首甲板でそう怒鳴ったウソップに、ナミは冷静に答える。 "雲の川"ミルキーロードは起伏が激しいため、カラス丸のダイアルを頼るしかないのだ、と。 「ぬぬ!!頑張れ、カラス丸。ああ、それとサンジ、お前は常におれ様の護衛にあたれ。キャプテン、この森恐いんだ」 「黙れ。おれが守るのはナミさんとマルロスのみだ」 「……私なら大丈夫ですよ?」 サンジの言葉に、船首甲板に座り込んでいたマルロスが小さく呟くが、サンジは怪我人は大人しく守られてろと返す。 過保護だなぁ、と内心で思いながら苦笑するマルロス。 「そうだ、"変な騎士"のお薬の時間よね。チョッパー、どこに置いてくって言ったっけ」 「我輩、名をガン・フォールという。ガン・フォール」 「あァ、薬なら冷蔵庫の横の樽の上だよ。マルロスの分も頼むね」 樽を抱えたサンジの答えに、ナミは一度キッチンに入る。 2人分の薬と水を手に、甲板に向かうナミの耳にガン・フォールの声が聞こえた。 この国の歴史を話そうか、と静かに切り出したガン・フォールは、自身が6年前まで"神"であったと言う。 「頭打ったか、おっさん」 ウソップの突っ込みに、ピエールが噛みつく。 それを無視して、ガン・フォールは話を続ける。 [次へ#] |