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広い世界の夢物語


「騒ぎつかれて眠ったか……よい夢を、冒険者達よ……今宵も……月光に踊るサボテン岩が美しい……」

イガラッポイのそんな言葉に、からかいを含んだ声が投げられる。

「詩人だねェ、Mr.8」

それは昼間、麦わら海賊団の船でこの町まで帰ってきた2人組の、Mr.9の声。
隣にはミス・ウェンズデーの姿もある。

「奴らは?」

「堕ちたよ……地獄へな……」

イガラッポイ、もといMr.8がそう答える。
それと同時に、先程まで宴で盛り上がっていた部屋から一人のシスターが姿を現し、ミス・マンデーと呼ばれた彼女が3人の元へ歩み寄る。

「港でたたんじまえばよかったんだ。ただでさえこの町は今、食糧に困ってんだからね………どうせクジラの肉も期待してなかったし」

その物言いにMr.9達は腹を立てて言い返すが、傍らからMr.8が一枚の手配書を取り出す。
麦わら帽子の少年が、満面の笑顔を浮かべた写真が載ったその手配書には、懸賞金額3千万ベリーと記載されている。
見間違えようもなく、ルフィの手配書だ。
力量を見掛けで判断しようとは愚かだな、と言葉を繋ぐMr.8にミス・マンデーは頭を掻く。

「……だがまァ……もう片は付いている、社長にもいい報告ができそうだ……」

船の金品を押収して、奴らを縛り上げろと指示を出すMr.8の言葉を聞く限り、彼らが組織的な賞金稼ぎと思われる。
そんな4人に、背後から静かに声を掛ける人影。
刀を月明かりに掲げ、屋根に胡座をかいて4人を見下ろすその姿は、宴で酔いつぶれたはずの男の姿。
月明かりに、左耳の3連ピアスが輝く。

「……なァ、悪ィんだが、あいつら寝かしといてやってくれるか。昼間の航海でみんな疲れてんだ……」


 

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あきゅろす。
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