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広い世界の夢物語


空を見上げながら、マルロスはぼんやりと考える。
あの、ミス・ウェンズデーと名乗る彼女に感じた奇妙な違和感の正体は何だろうと、空を飛ぶカモメを見ながら考える。
最初に出逢った頃から、奇妙な違和感を感じていた。
その正体が何なのか、それを考えても判らない。
殴られた頭を抱えるゾロを放って、ナミがクルーを鼓舞する。

「気を抜かないでみんな!!まだまだ何が起こるかわからない!!今やっとこの海の恐さが認識できた、グランドラインと呼ばれる理由が理解できた!!この私の航海術が一切通用しないんだから、間違いないわ!!」

「大丈夫かよ、オイ」

力一杯宣言するナミに、ウソップが不安げに突っ込む。
そんなウソップに、ナミは笑顔で船の先を見つめる。

「大丈夫よ!!それでもきっと何とかなる!!その証拠に………ホラ!!一本目の航海が終わった」

船の進行方向に、島陰が浮かび上がる。
途端に皆が元気を取り戻し、船首甲板に集まる。
特等席の船首によじ登って、ルフィが潮風に麦わら帽子が飛ばされないように押さえながら、はしゃいだ声で島を見つめる。

「それでは我らはこの辺でおいとまさせて頂くよ」

「送ってくれてありがとう、ハニー達」

無事に着いたと喜びの声を上げた例の2人組は、途端に手摺に飛び乗るとそんなことを言い出す。

「縁があったならいずれまた!!バイバイベイビー」

訳が判らないクルーを置いて、2人は海に飛び込む。
改めて、あの妙な2人組は一体何だったのかと首を傾げるが、ルフィは未知の島への興味が勝るらしい。
丁度島の正面に川があり、船のまま内陸へ行けそうだとナミが言えば、ウソップがビビりながらバケモノがいるんじゃ、などと言い出す。
煙草を燻らせるサンジが、グランドラインなんだから可能性はいくらでもある、なんて不安を煽るようなことを言う。


 

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