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広い世界の夢物語


頬を伝った涙を拭い、俯いていた顔を上げた時、ルフィとサンジの叫びが響き渡る。

「あああああぁぁぁぁぁぁ」

「……?」

気のせいでなければ、今ルフィとサンジが揃って叫びながら、海の方へ吹っ飛んでいかなかっただろうか。
何事だろう、と振り返れば、鬼のような形相のナミが目に飛び込んできて、思わずマルロスは顔を背ける。
正直、かなり怖い。
どうしよう、声を掛けるべきか否かと迷いながらも、放っておくわけにもいかないと立ち上がる。
考え込んでいる間に何があったのか、それを知るためにだいぶ重い足取りでナミの方へ歩み寄るマルロスに、ウソップが気が付く。

「お、マルロス」

「あの、どうかしたんですか?気のせいでなければ今、ルフィとサンジが……その、言葉通り飛んでいったように見えましたが……」

「何だマルロス、そこに居たのに聞いてなかったのか?しょーがねェなー」

軽く溜め息を吐いて、ウソップが事情の説明を始める。


 

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