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広い世界の夢物語
11

ゾロの刀を抱え、マルロスはビックパンの背中から空中に飛び出した2人を見つめる。
最初の狙いはゾロだった。
ハンバーグの鉄のサックで殴られ、地面に叩きつけられたゾロに追い討ちをかけるように、ハンバーグは肘の鉄のサポーターをエルボーに構え、ビックパンのアタックで一気にゾロの腹に落ちる。

「ゾロ!!」

マルロスが叫ぶ。
だが、グロッキーモンスターズは攻撃の手を休めない。
次の狙いは当然サンジで、ゴールを決めるつもりもないハンバーグ達の連携に倒れる。
悲痛に顔を歪め、それでもマルロスは目を逸らさない。
フォクシー海賊団の大歓声の中で、マルロスの耳にサンジとゾロが10秒手を貸し合う声が聞こえた。
反撃の合図だ。
ふらふらになりながらも、再び立ち上がったゾロとサンジに、フォクシーが「モンスターバーガー」なるものを注文。
するとハンバーグ、ピクルス、ビックパンがそれぞれ武器を取り出す。

『出たよー!!最凶最悪の3連凶器攻撃!!逃れる術なし!!これはレッドカード級の反則だね〜っ!!』

実況が叫ぶが、審判は"偶然"ブリッジの最中。
マルロスはもう正当なゲームを諦めたので、後は2人を信じるのみだ。
ハンバーグが鈍器を振りかざしてサンジに迫るが、それよりも速くサンジがハンバーグの懐に入る。

「"三級"!!"挽き肉"!!」

顔面に蹴りをお見舞いし、ふらついたハンバーグを高く蹴り上げる。
吹き飛ばされたハンバーグは、ビックパンの武器に挟まれる。
平たく伸されたハンバーグに、ピクルスが剣を持ったまま回転しながらサンジに迫るが、今度はゾロが前に出た。
ピクルスが剣を振り下ろすその下で、ゾロは"龍巻き"の構えを取る。
ゾロが腕を振り切れば、ピクルスはそれに吹き飛ばされビックパンを回転剣の餌食にする。
倒れかかったビックパンを、後ろに回り込んでいたサンジの蹴りが止まらせる。
そこに突っ込んでいくゾロをピクルスが妨害しようとするが、横からサンジに審判目掛けて蹴り飛ばされる。
吹っ飛んだピクルスに巻き込まれ、審判がその巨体の下敷きになった。
審判はわざとだ、とレッドカードを出そうとしたが、笛もカードもない。
そのまま気絶した審判に、観客席のナミが舌を出す。

「昔のクセで」

「悪いコね……」

ナミの手には、カードと笛。
騒ぎに乗じてスリ取っていたのだ。
マルロスも思わず笑ってしまった。
そうこうしているうちに、残されたビックパンの前でゾロがサンジの足に乗り、蹴りの勢いで宙に跳ぶ。
真っ直ぐにビックパンに迫ったゾロは、飛んできた勢いのままビックパンの歯を掴み、腕力でその巨体を後ろに引く。
飛んできた勢いと、ゾロの馬鹿力でビックパンの巨体が宙に浮き、そのままゴールリングに頭を叩き込まれる。

『ゴ〜〜〜〜〜〜ル!!!!』


 

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あきゅろす。
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