広い世界の夢物語
10
だが、試合は続行中なのに喧嘩している２人に、ビックパンがその巨体で足踏みしながら襲いかかる。
咄嗟に避けた２人は、慌ててビックパンから逃げ出す。
折角のチャンスに何を逃げているのかと思えば、ビックパンの靴の裏に刃物が仕込まれているのだ。
サンジが審判に食って掛かるものの、"偶然"見ていないと言い張る審判にサンジがキレて自分の靴を飛ばす。
「麦わらチーム、サンジにイエローカード!!」
審判に攻撃した、と判断されたのだろう。
イエローカードが出されて更に怒るサンジの後ろでは、ビックパンが斧を振り回しながらゾロを追いかけている。
理不尽だと抗議するサンジに、ナミはこれじゃいつまで経ってもゲームが進まない、と判断して激励を飛ばす。
それに気を良くしたサンジは、颯爽とゲームに復帰。
再び靴の裏の刃物に追われながら、今度は返り討ちにしてやると振り返って走り出したゾロとサンジに、ビックパンがスライディングしてくる。
思わずジャンプした２人は、そのままビックパンの広い背中を滑る。
本人達は至って真面目なのだろうが、周りから見れば何て滑稽な光景だろうか。
ウソップの必死の突っ込みも届かない。
その隙に、気を失っていたハンバーグとピクルスが目を覚ましたのはいいが、あからさまに凶器を身に付けている。
審判はと言えば、"偶然"ストレッチ中で後ろを向いている。
元からフォクシー海賊団に有利なゲームだったとは言え、ここまであからさまな不正が許されると温厚なマルロスでも腹が立つ。
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