広い世界の夢物語
8
水路の突き当たり、外へと通じる大きな鉄扉が開かれる。
「フ――――ッ、出たァ!!本物の空!!」
器用に折れた船首の付け根に立ち、ようやくクジラの外に出られたと喜ぶルフィの声が響く。
「こいつらどうしよう」
「捨てておけ、その辺に」
「捨てっ!?」
当たり前のように言われた言葉に、マルロスが驚いたように反応する。
人に対して、その辺に捨てておけだなんて、普通は言わない言葉だろう。
あまりな言い方に、マルロスが驚いて戸惑っているうちに、本当に2人組が海に投げ捨てられる。
あぁ本当に捨てられた、とマルロスが唖然としていることに誰も気に掛けない。
「―――で?お前ら何だったんだ?」
「うっさいわよ!!あんたには関係ないわ!!」
海に放り投げられたことで、気絶していた2人が目を覚ましたようだけど、結局何者なのかは判らないままだ。
いまいち訳の判らない捨て台詞を残して、2人が泳いで遠ざかる姿を見送って、船は一旦岬に向かう。
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