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広い世界の夢物語


第二回戦の準備が進む中、マルロスはそっとゾロに寄り添う。

「…………ゾロって、そういうところが格好良いな」

「何だよ、いきなり」

「ふふっ、私ならそうすぐに気持ちを切り替えられないし、あんな言葉を掛けてあげることも出来ないから。ゾロのそういう優しいとこ、私は好きだよ」

「…………」

他意はない、仲間としての好意だと判ってはいるが、マルロスへの想いをまだ持っているゾロとしては、少しばかり照れ臭い告白だった。
ガリガリと頭を掻いて、照れ臭さを誤魔化すゾロにサンジがマルロスに近付きすぎだと蹴り掛かるが、避けたゾロが放った言葉に固まる。

「言っとくが、てめェの株は急降下してるからな」

「あぁ!?何のことだ!?」

「ゾロ、言わないでくれよ?」

「わぁってる……てめェの行動を省みろ、クソコックが」

何やら意味深にマルロスと目配せするゾロに、サンジは頭に血が昇りながらもその言葉の意味を考える。
別にやましいことも何もしていないはずだ、とマルロスに視線を移せば、少しだけ傷付いたような笑みを返される。
その笑みに、サンジの心臓がドクリと音を立てた。
あんな顔をさせたいわけじゃない、だけど自分がそんな顔をさせる何かをしてしまった。
そんな動揺からだ。

「……マルロス……?」

「ほらサンジ、二回戦が始まりますよ?」

疑問をぶつけるより先に、マルロスにそう言われてしまう。
その言葉に、サンジは頭を振ってまずは非常食、もといチョッパーを取り戻すのが先だ、と切り替える。
二回戦に出場予定だったチョッパーが奪われたため、ゾロとサンジの2人で試合に挑むことになる。
マルロスのことを抜きしても、元からチームワークと言う言葉と無縁な2人だから、見守る側には一抹の不安が過る。

『ここで一発「グロッキーリング」ル〜ル説明をするよっ!!フィールドがあってゴールが二つ〜〜〜!!球をリングにブチ込めば勝ち!!ただし!!"球"はボールじゃないよ!!人間!!両チーム、まずは"球"になる人間を決めてくれっ!!』

実況の説明に、"球"になるのはどっちだとフォクシー海賊団の奴が聞いてきたが、話し合う気もなくゾロの独断で"球"はサンジに。

「勝手に決めてんじゃねェよ!!球はてめェだろマリモ、コラ!!」

サンジが怒鳴っても、ゾロは何処吹く風だ。
と、突然フォクシー海賊団の船から妙な音楽が聞こえてきて、船首のキツネの頭部分の口から何かが降りてくる。
ハンバーグとピクルス、そして球印をつけた魚人と巨人のハーフ、"魚巨人"のビッグパンの3人だ。

「不足は?」

「ねェな」

サンジの言葉に、ゾロは首を鳴らして不敵に笑う。


 

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あきゅろす。
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