広い世界の夢物語 13 取り敢えず、現状を理解していないルフィにここがヘビの腹の中だと教えると、じゃあ尻の穴を探そうと答える。 食われたんだから尻から出りゃいいじゃねェか、と真顔で言うルフィにナミは溶けた方がマシと、ルフィの顔面にチョップを入れる。 「とにかくこの蛇、今虫の居所が悪いせいで、私達食べられたのよ。また暴れ出さない内に早くここから……」 そこまで言って、ナミ達は気付いた。 この大蛇の虫の居所が悪い原因は、先に腹の中にいたルフィが暴れたせいでは、と。 震えながらナミがそう問うと、ルフィはけらけら笑いながらそれを認める。 つまり、ナミ達はルフィのせいで蛇に食われたのだ。 「この……どバカ〜!!」 「ギャ―――――!!」 力一杯ナミに殴られたルフィ、と、その衝撃でまたも悶える大蛇。 身体をくねらせる大蛇に、中にいたルフィ達は更に奥へと転がっていく。 外にいたワイパーは、呻く大蛇の腹を裂いてでもアイサを助けようと、バズーカを放つ。 ゾロもまた、大蛇に飲み込まれたナミ達を助けたいのだが、神官オームがそれを邪魔する。 自在に伸びる剣と、動きを読む"心綱"のせいで思うように戦えない。 距離を置いて戦おうと、ゾロが飛ぶ斬撃"三十六煩悩鳳"を放つも、自在に伸びる"鉄雲"の剣にはじかれる。 一旦遺跡に隠れて距離を置くゾロの居場所も、"心綱"で場所を把握できるオームがゆったりと近付く。 そして、壁一枚を隔てて向かい合う。 「お前が青海人の要の様だな。仲間諸子共々…よくやったよ…すでにお前の心臓に狙いを定めた。神に祈れ、青海の剣士」 「バァカ、おれは一生、神には祈らねェ!!」 オームが剣を振るう。 遺跡の壁を壊し、ゾロに真っ直ぐ向かっていく鉄雲を前に、ゾロは"百八煩悩鳳"を放つ。 その斬撃は、鉄雲さえはじき、オームを斬る。 倒れたオームに、飼い犬のホーリーが後ろからゾロに襲いかかったが、咄嗟に待てと言ったゾロの言いつけ通り、お座りして待つホーリー。 誰が言ってもやんのかよっ、と突っ込んだゾロは、少し考えてからホーリーに言う。 「…………頭打って気絶しろ」 ホーリーは言われた通り、頭を打って気絶。 残すは、ワイパーと大蛇のみ。 [*前へ][次へ#] |