広い世界の夢物語 3 「そうだ、ちょうどいい。今、漁に出ていたのですが"白々海"きっての美味中の美味!!"スカイロブスター"など捕れましてね。家にいらっしゃいませんか、"空の幸"をごちそうしましょう」 「いいのか!?行く行く!!」 「空島料理か、おれも手伝わせてくれ!!」 コニスの父、パガヤの言葉に両手を挙げて喜ぶルフィと、空の料理に目を輝かせるサンジ。 満場一致でパガヤの家に行くことに決まりかけた中、一人ウェイバーを見ていたナミが不思議そうに問い掛ける。 「これ、どんな仕組みなの?風を受ける帆もないし……漕いでたわけでもない。何で海を走ってたの??」 「…………まあ、"ダイアル"をご存知ないのですか?」 「"ダイアル"!?」 コニスの驚いたような言葉に、こちらも驚く。 "ダイアル"とは何か、それを聞くより早く好奇心旺盛なルフィが、おれでも乗れるのかとパガヤに訊ねている。 乗り方は随分と簡単で、船底にアクセルとブレーキがあり、それを踏んでスピードを調節するらしい。 試しに、と乗り込んだルフィがアクセルを踏み込んだ途端、勢いよくウェイバーは走り出す。 だが、雲の海を走り出してすぐに船体がガクンガクンと左右に揺れ始め、最後には大転倒。 ビーチで見守っていたゾロが、この上ない大転倒だな、と呟く程見事にこけた。 「ああ大変、おケガはないかしら!?」 「何て事だ。すいません、ウェイバーをお貸しして、すいません」 大変だと慌てるコニスとパガヤに対して、仲間は冷静で。 「―――そういや、能力者にこの海はどうなんだろうな……」 「そうか、普通の海とは違うからなァ。もしかして浮くかもしれねェ」 呑気なゾロとサンジの言葉に、マルロスはそれもそうだな、と頷いて見守っている。 「あぷ……」 「沈んだ」 「ダメか」 「あれ?沈んだらダメなんじゃないか?ここには海底がないんだから」 マルロスの言葉に、ようやく我に返ったゾロとサンジが雲の海に飛び込み、ルフィの救出に向かう。 そして、何故か同じように海に飛び込んだチョッパーを助けるために、ウソップも海に飛び込む。 [*前へ][次へ#] |