広い世界の夢物語
天国の門
滝のような雲の前には、大きく盛り上がった雲が立ち塞がっていた。
「"空の海"の上に浮いてんだから同じ"空の海"じゃねェだろ」
サンジの言葉に、じゃあどんな雲だろうと考えるウソップとナミに対し、ルフィは触ればわかるだろと腕を伸ばす。
伸びたルフィの拳は、雲に当たってパフンと跳ね返る。
おお、と驚く面々を尻目に、ルフィは船縁から雲の上へ跳ぶ。
「見ろ!!乗れた!!沈まねえぞ、ふかふかする!!綿みたいだ!!何だコリャ何だコリャ!?楽しすぎだ〜」
あっはっはっは、と笑いながら雲の上を跳ね回るルフィに、ウソップとチョッパーが続く。
どんな現象だと不思議がるナミとロビンに、驚いて言葉もないマルロス。
「は〜〜〜〜……いい気持ちだ……!!なんか温けェし、このまま寝ちまいたい……干したてのフトンより気持ちいい」
ふかふかの雲に頬を寄せて、ルフィがしみじみと呟く。
このまま寝たい、なんて言いながらまたはしゃぎ出す姿に背を向けて、ナミは思案する。
「……でも、そうなるとこの盛り上がった雲のある場所は、船じゃ通れないわけか……」
「そうなりますね。上にいるルフィ達に、通れそうな隙間があるか見てもらいます?」
「そうね」
マルロスの言葉に、ナミは大きく声を張り上げてルフィに船が通れるルートを探して、と呼び掛ける。
ナミの言葉に頷いたルフィだったが、ウソップが遠くに何かあるぞとルフィを呼んで、それを聞いてすぐさまルフィはそっちに向かう。
怒るナミには、たぶん気づいていない。
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