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広い世界の夢物語


そんなウソップには構わず、空の騎士は笛を甲板に投げる。

「1ホイッスルとは、一度、この笛を吹き鳴らす事。さすれば我輩、天よりおぬしらを助けに参上する!!本来はそれで空の通貨500万エクストル頂戴するが、1ホイッスルおぬしらにプレゼントしよう!!」

その笛でいつでも我輩を呼ぶがよい、と言って立ち去ろうとする空の騎士に、ナミが名前もまだ聞いてないと呼び止める。

「我が名は"空の騎士"、ガン・フォール!!そして、相棒ピエール!!」

空の騎士の相棒、ピエールは鳥にして"ウマウマの実"を食べた能力者、即ち、翼ある馬ペガサス。
まぁ、斑点模様の微妙な姿ではあるが、一応はペガサスなのかもしれない。
取り敢えず、ピエールの背に乗り立ち去った空の騎士を見送って、ふとロビンが呟く。

「……結局、何も教えてくれなかったわ」

判ったことはそれなりにあるものの、結局のところ"白海"の上層"白々海"への行き方すら教えてくれなかった。
どうしたものか、と悩むクルーをよそに、ルフィは笛を吹いて空の騎士を呼ぼうとする。
それを必死で止めるナミとウソップに、ゾロがとにかくどこかへ船を進めよう、と提案する。
そこへ、船縁から海を眺めていたチョッパーが何かを見つけ、側にいたロビンとマルロスが近付く。

「何かしら……滝の様にも見えるけど」

「変な雲だろ?」

「他に目につくものもありませんし、取り敢えずあそこに行ってみませんか?」

マルロスの提案は二つ返事で受け入れられ、帆を張り直したメリー号は雲の海を進む。




 

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