広い世界の夢物語
３
と、いきなり絶叫したウソップにサンジがうるっっせェな、と 怒鳴り付ける。
ウソップは、ズボンの中に何かいたと言って、魚らしき平べったいそれを放り出して倒れる。
空島コワイとうわ言のように繰り返すウソップに、ロビンが厄日ね、と一言。
慰めることもなく、ウソップが放り出した魚らしきそれを持ち上げ、物珍しそうに観察する。
「これが……"空魚"じゃない？ノーランドの日誌にあった"奇妙な魚"―――おそらく海底のないこの"空の海"に対して、生き残る為にいろんな形で進化を遂げたんだと思うわ」
「―――それで風船になったり平たくなったり、か？」
「より軽くなる為ね……地上の海の水より浮力が弱いのよ、ここは」
ロビンの解説を聞き流し、その手から空魚を持ち去ったルフィは、それをサンジに手渡す。
当然の流れなのか、検証途中だと言うのにソテーにされた空魚は、意外と美味かった。
そんな騒ぎを尻目に、双眼鏡で周囲を見回していたチョッパーが、不意に仲間を呼ぶ。
ところが、ゾロが何か見えたかと訊ねると急に慌てて、支離滅裂なことを言って何があったのか判らない。
とにかく落ち着けと、慌てふためくチョッパーを落ち着かせようとしていたら、雲の海から誰かが接近してくる。
大きな仮面をつけ、どうやってか知らないが雲の海の上を走ってくる男に、ルフィ達４人が構える。
「おい止まれ、何の用だ!!」
「排除する……」
海面から跳び上がった仮面の男に、マルロス以外の３人はあっという間にやられてしまった。
素早い男の動きについていけたのはマルロスだけで、蹴りを双剣を交差させて防いだマルロスは、更に高く跳び上がった男を見上げる。
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