広い世界の夢物語
空の海
"積帝雲"に突入した途端、甲板のクルー達は呼吸を奪われる。
息が続かない、と苦しさが限界を迎えようとした瞬間、船は雲を突き抜けた。
「ケホッ……はぁ、はぁ……」
胸に手を当て、呼吸を整えながらマルロスは周りを見回す。
クルーは全員居る、誰一人欠けていない。
それに安堵し、そして立ち上がったマルロスの目に、驚きの光景が飛び込んできた。
同じ頃には、クルーも何とか周りを見る余裕を取り戻して、ルフィの船の外を見ろよと言う言葉に立ち上がる。
「!!!?………………何だ!?ここは!!真っっっ白っ!!」
「雲……!?」
「雲の上………!?何で乗ってんの………!?」
唖然とするクルーに、ルフィが逆に不思議そうに言い返す。
「そりゃ乗るだろ、雲だもんよ」
「イヤ、乗れねェよっ!!」
サンジとゾロ、チョッパーが息を揃えて否定する。
雲の上に乗れるなんて、誰も聞いたことがない。
「――――つまり、ここが"空の海"ってわけね。でも見て、"記録指針"はまだ、この上を指してる!!」
「――どうやらここは"積帝雲"の中層みたいね……」
「でも、上層へはどう行くんでしょうか?」
まさか、また"突き上げる海流"のような目に遭うんじゃないだろうな、と多少の警戒を持ちながら雲の空を見上げる。
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