広い世界の夢物語
襲撃
海岸にあるクリケットの家の前に戻ってくると、驚くべき光景が広がっていた。
「ひし形のおっさん!!」
「マシラ!!」
「ショウジョウ!!」
何者かの襲撃を受けたらしく、3人はひどい怪我を負い倒れていた。
メリー号も壊されている。
ショウジョウを海から引き上げて、チョッパーがすぐさま手当てを始める。
「すまん………」
「あ!!おっさん、おい、おっさん気がついたか」
と、意識を取り戻したクリケットが謝り始める。
何があったのか、話そうとしないクリケットは船の強化も間に合わせるから、と言って起き上がる。
無事にサウスバードを捕まえてきたことを確かめ、クリケットは気にするな、もう何でもねェと言うばかりで。
そこに、破壊された家の中を確認していたナミが飛び出してくる。
「ルフィ!!金塊が……奪られてる………!!」
「!!」
「………ああ……ああ………いいんだ……そんなのはよ、忘れろ、これは。それより、お前ら……」
「そんなのはって何だよ!!おやっさん、10年も体イカレるまで海に潜り続けて、やっと見つけた黄金じゃねェか!!」
思わず憤るウソップに、クリケットはおれ達の問題だと一蹴してしまう。
そして、猿山連合軍の手にかかればメリー号の修繕・強化を夜明けまでに終わらせるのはわけはねぇ、と麦わらの一味の出航に支障は出さねぇと言う。
そんな中、ゾロが家のベニヤ板に描かれたマークをルフィに示す。
それはルフィとゾロ、ナミには見覚えのあるマークだった。
「…ベラミーのマーク…!!」
「手伝おうか」
「いいよ、一人で」
「………ダメよ!?ルフィ!!バカな事考えちゃ!!出航予定まで、もう3時間ないんだから!!」
止めるナミを無視して、ルフィはロビンに海岸に沿っていったらモックタウンに着くか確認して、ロビンは素直に着くわよと頷く。
「オイ…小僧、どこへ行く…!!てめェ、余計なマネすんじゃねェぞ!!相手が誰だかわかって……!?」
「止めたきゃ、これ使えよ」
ルフィを引き止めようとしたクリケットに、ゾロが自身の刀を差し出して言う。
「朝までには戻る」
怒りの滲んだ声音でそう言い残し、ルフィは走り出す。
それを見送り、残されたクルーはメリー号の修繕と強化のために、猿山連合軍と一緒に動き出す。
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