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広い世界の夢物語


しばらく森の中を歩き回る。
時折聞こえる鳴き声を頼りに、ロビンと2人で樹の上を見ながらサウスバードを探すマルロスと、峰打ちでおケラ軍団を気絶させていくゾロ。

「キリがねェ!!何でかかって来るんだよ、コノおケラ軍団!!邪魔だぞ!!おれに勝てそうか!?あァ!?」

「今、鳥の鳴き声が……」

「えぇ。虫達に、指令を出してるように聞こえましたけど……姿は見えませんね」

姿が見えれば簡単なのに、と呟くロビンにマルロスは軽く首を傾げる。



数時間後……。
最初に集まっていた場所で、全員が成果の報告をする。

「姿すら一羽も確認できなかった……」

「おれ達は見たんだけどよ、虫だらけで鳥どころじゃねェんだよ」

走ってばっか、と息を切らすルフィとチョッパー。
8人いて成果はゼロ。
さすがに、何時間も走り回り疲れている。

「ジョ〜〜〜……」

「あ!!」

「ジョジョ〜〜〜ジョジョ〜〜〜!!ジョッジョッ!!」

「「お前らなんかに捕まるか、バ―――カ」って」

「完全にバカにしてますね」

突如現れたサウスバードの鳴き声を、チョッパーの通訳に合わせて笑うように鳴いているのを見上げて、マルロスが表情を消す。
さすがに、ここまであからさまにバカにされると、マルロスも腹が立つ。

「撃ち落としてやる!!」

「ジョ?」

いきり立つウソップがパチンコを構えるより早く、にょきにょき、とサウスバードの両脇に手が生える。
それがサウスバードの翼を押さえ込み、下にボテッと投げ落とす。

「姿さえ見えれば……」

「あ……」

ロビンの悪魔の実の能力で、呆気なく捕獲完了。
一体、あの虫に追われて走り回っていた数時間は何だったのかと言う程、呆気ない幕切れだった。
思わず脱力しそうになる中、とにかくサウスバードを捕まえたから海岸に戻ろうと、誰からともなく歩き出す。




 

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