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広い世界の夢物語
15

どんちゃん騒ぎは、陽が暮れる頃から始まった。
今日はなんて酒のうめぇ日だとビンを煽るクリケットと、次々に運ばれてくるサンジの料理を食べているマシラ達。
ウソップの"タバスコボンバー"なるものを食らい、マシラがウソップを追い掛け回す。
そんな騒ぎの中、飲み比べをするゾロや食い続けているルフィに、飲み慣れないお酒に顔を赤くするチョッパーと、ナミを侍らせようとするクリケットを見遣り、ロビンはノーランドの航海日誌を読む。
その隣には、騒ぎを見ながら微笑んでいるマルロス。
航海日誌を読んでいたロビンの手が、不意に止まる。
そのページには、滲んだ文章が残されている。

「『髑髏の右目に黄金を見た』」

目の前に迫っていたクリケットの顔に、ロビンが驚く。
ナミは騒ぎの中でも、黄金と言う単語を聞き逃さなかった。

「涙でにじんだその文が、ノーランドの書いた最後の文章……その日、ノーランドは処刑された。このジャヤに来ても、その言葉の意味は全くわからねェ」

酒を煽りながら、クリケットが続ける。
それをマルロス達は、静かに聞いていた。

「髑髏の右目だァ!?コイツが示すのは、かつてあった都市の名か、それとも己の死への暗示か……後に続く空白のページは何も語らねェ」

だから海底に夢を見るんだ、と言うクリケット達に、ルフィがおれ達は空へ飛ぶぞと返して、宴会は更に賑やかになる。


 

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あきゅろす。
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