広い世界の夢物語 13 マルロスは、何か根拠があって明日の昼に積帝雲が現れると断言した、と思ったがウソップは違う。 「ウ……ウソだろ!!」 「ア!?」 「だいたいおかしいぜ!!……!!今日初めて会ってよ!!親切すぎやしねェか!?」 極度の不安から、クリケットを否定するような言葉を並べ立てるウソップに、ルフィが宥めようとするが聞かない。 立て続けに怒鳴り付けるウソップの言葉を、クリケットは黙って聞いている。 「"空島"なんてよ……!!伝説級に不確かな場所に行く絶好の機会が……!!明日だと!?その為に船の強化や進航の補助をしてくれる!?話がウマすぎるぜ!!一体何を企んでやがるんだ!!お前は「ウソつきノーランド」の子孫だもんなァ!!信用できねェ!!」 思いの丈を怒鳴ったウソップに対して、クリケットは怒る素振りも見せない。 家の方から、サンジとマシラ達の声が聞こえたが、辺りは静まり返っていて。 マルロスもまた、黙って2人を見つめていた。 スパッ、と煙草を吹かしたクリケットはゆっくりと口を開く。 「………………マシラの―――……あいつのナワバリで、日中"夜"を確認した次の日には南の空に"積帝雲"が現れる……月に5回の周期から見て、"突き上げる海流"の活動も、おそらく明日だ。そいつもここから南の地点で起こる。100%とは言い切れんが、それらが明日重なる確率は高い」 "突き上げる海流"が明日起こる可能性、その根拠を語るクリケットの言葉を、ウソップも他のクルーも黙って聞いていた。 [*前へ][次へ#] |