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広い世界の夢物語


荒れ狂う海の上、甲板に集まって灯台の灯を見つめる。

「"導きの灯"、あの光の先にグランドラインの入り口がある」

どうする、と笑みを浮かべて振り返ったナミにウソップが嵐にビビったように震えるが、サンジは倉庫から酒樽を転がしてくる。
進水式をやろうか、と言い出したサンジが、まず酒樽に片足を乗せる。

「おれはオールブルーを見つけるために」

サンジに続くように、ルフィが足を酒樽に乗せる。

「おれは海賊王!!」

「おれァ大剣豪に」

「私は世界地図を描くため!!」

ゾロとナミが続き、残されたウソップとマルロスが顔を見合わせる。
マルロスは単純に、進水式とは何をするのかが判らずに見ていただけなので、ルフィ達を見て少し考えてから足を上げる。
皆、それぞれの叶えるべき夢を今ここで誓っているが、自分が叶えたい夢は何だろう。
考えたのはほんの数瞬で、マルロスはすぐに心を決める。

「私は……皆が夢を叶える時を見届けるために」

永遠の命を持つエルフだから、だからこそ彼らが夢を叶えるその時を見届けて、いつまでも彼らを忘れずに居たい。
それが、今マルロスが想う夢。

「お……お……おれは勇敢なる海の戦士になるためだ!!」

ウソップが夢を誓い、酒樽に6人の足が揃う。
揃った足を眺めて、ルフィが一度全員の顔を見回してから、大きく息を吸い込む。
それに合わせるように、全員の足が振り上げられる。

「いくぞ!!グランドライン!!」

ガコォン!!

大きな音を響かせて、6人の足が酒樽の蓋を蹴り破る。
それぞれの誓いを乗せて、船はグランドラインを目指す。


 

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あきゅろす。
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