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広い世界の夢物語


ロビンはそう言うと、一旦下の女部屋に戻り何やら大きなトランクを持ってくると、ガイコツの納められた棺桶を開ける。
何をするのだろう、と興味を覚えたマルロスはサンジと並んでロビンの傍らにしゃがみ込み、彼女の作業を見守る。
ゾロも興味があるようで、何かわかんのか、と訊ねている。
サンジはむしろ、ロビンしか見ていない。
ロビンは、棺桶の中で壊れてしまった頭蓋骨の破片を、ひとつひとつ組み立てていく。
そして復元が完成した頭蓋骨には、いくつかの小さな穴が。

「ここにあいてる穴は人為的なもの」

「……ははーん、そこを突かれて殺されたってわけか、コイツは」

「いいえ、これは治療の跡よ…"穿頭術"、でしょ?船医さん」

「………うん。昔は脳腫瘍をおさえる時、頭蓋骨に穴を開けたんだ。でも、ずっと昔の医術だぞ……!?」

マストの影から、チョッパーがそう説明する。
それを受けてロビンは、頭蓋骨から判ったことを説明する。
頭蓋骨の主は、死後200年は経過している、30代前半の男。
航海中に病に倒れ死亡、他の骨に比べて歯がしっかり残っているのは、タールが塗り込んであるから。
歯にタールを塗り込む、この風習は"南の海"の一部の地域特有なもので、歴史的な流れから考えてあの船は過去の探検隊の船だろう、と一気に説明される。
そしてロビンは古い歴史書をめくって、208年前に"南の海"の王国の船が出航していることを突き止める。

「骨だけでそんな事まで割り出せるの……!?」

「遺体は話さないだけ、情報は持っているのよ」

「その情報を引き出すのも、知識が伴わなければでしょう?すごいんですね、考古学者って」

感嘆の溜め息と共に、マルロスがロビンを見つめて呟く。
その言葉に、ロビンは少し照れたような表情を一瞬浮かべ、すぐに隠してしまう。

「探検隊の船なら色々な証拠や記録が残っていた筈だけど…」

その言葉にナミも頷き、でももう船は沈んでしまったと船縁から覗くと、ルフィが海で溺れていた。


  

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