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広い世界の夢物語


そこに、階段の一番上に腰かけたナミの声が降ってくる。

「軽くあしらわれちゃって情けない―――どうかしてるわ!!今の今まで犯罪会社の副社長やってた、その女はクロコダイルのパートナーよ!?ルフィの目はごまかせても、私はダマされない……妙なマネしたら、私がたたき出すからね!!」

「フフ………ええ……肝に銘じておくわ」

ナミの言葉にも、ロビンは穏やかに答える。
と、不意に何かを取り出す。

「そういえば、クロコダイルの宝石、少し持ってきちゃった」

「いやん、大好きよお姉様っ」

「おいおいおいおい」

じゃらっ、と小さな包みをテーブルに乗せたロビンに、さっきまで睨み付けていたナミが目を輝かせて駆け寄る。
ナミがやられた、悪の手口だ、とゾロとウソップが言う中に、不意に妙に甘ったるい声が響き渡る。
それは、若干意味の判らないポエムを口ずさみ、おやつ片手に踊りながら現れたサンジで。
ゾロもウソップも、もうアレは最初からナシの方向で、とぼやく程だ。

「おれ達が砦ってわけだ」

「まったく、世話のやける一味だぜ!!」

と、格好良く決めたウソップをルフィが呼び、何だと振り返った先ではルフィの頭の両側にロビンの手が咲き、ルフィのその顔はチョッパーを真似ている。

「チョッパー」

「ぷぷーっ!!」

転げ回る程、大爆笑するルフィとウソップとチョッパーを、ゾロが苦い顔で眺めている。
こうなった以上、ゾロの頼みの綱はマルロスだけだ。
隣を振り返れば、微笑ましそうに転げ回るルフィ達を見つめているマルロスがいて、ロビンには大して警戒していないようにも見える。

「マルロスはどう思う?」

「そうですね……少なくとも、今すぐに私達に何かをするつもりはないように思います。それに、最初に逢った頃のような敵意も感じない」

「けどよ……」

「警戒するのは間違いじゃないかもしれないけど、私はそれ程警戒が必要だとは思えない」

それだけだよ、そう言って微笑むマルロスにゾロは何も言い返せなくて、唇を引き結んでしまう。


 

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