[携帯モード] [URL送信]

広い世界の夢物語


いつからこの船に乗っていたのか、と問い詰めるナミに、ずっとよ、と端的な答えを返しながらデッキチェアを広げる。
そして、ルフィに話しかける。
何でも、ルフィに耐え難い仕打ちを受けたらしい。
意味が判らないルフィとクルーが、何が言いたいんだと怒鳴るように訊ねれば、驚く答えが返ってきた。

「私を仲間に入れて」

「は!?」

何を言い出すんだ、と驚愕の声が上がる中、彼女はその理由を説明する。

「死を望む私をあなたは生かした……―――それが、あなたの罪……私には行く当ても帰る場所もないの――だからこの船において」

「何だ、そうか。そらしょうがねェな。いいぞ」

「ルフィ!!!!」

「心配すんなって!!こいつは悪い奴じゃねェから!!」

いや、秘密犯罪組織の副社長をやっていた時点で、だいぶ悪い奴ではないのかとマルロスは考える。
だが、アラバスタで遇った時のように刺々しい雰囲気はなく、穏やかな雰囲気に飲まれてなのか、マルロスは反対する気にはなれなかった。
とは言え、いくら船長が決めたことでも仲間からの信用は全くない彼女を、ウソップが取り調べることになる。
テーブルを挟んで向かいに座ったウソップは、まずは名前を訊ねる。

「ニコ・ロビンよ」

そう言えば、名前すら知らない相手とアラバスタでは戦っていたんだなぁ、と呑気なことをマルロスは考える。
これまでの経歴を聞かれたロビンは、素直に8歳で考古学者になると同時に賞金首になり、それから20年も悪党に従って生きてきたと話す。
そこに悲観はなく、当たり前のように話すロビンにマルロスは僅かに眉を寄せた。
そんな生活のおかげで、裏で動くのは得意よ、と言うロビンにウソップが何が得意か訊ねる。

「暗殺」

「ルフィ!!取り調べの結果、危険すぎる女だと判明!!」

にっこり笑顔で暗殺が得意、と答えたロビンに、ウソップが悲鳴を上げる。
だが、ルフィはチョッパーと一緒に床に咲いたロビンの腕に夢中で、全く聞いていない。


 

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!