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広い世界の夢物語


町の正面で、それぞれ別行動になる。
死刑台を見に行くルフィ、装備集めに行くウソップ、食材の買い出しに行くサンジに買いたい物があると言うゾロが、それぞれに町に歩き出す。
残されたマルロスの腕を、ナミが引いて歩き始める。

「マルロスは私の買い物に付き合ってね?マルロスの服も買わなきゃだし、笛も見てこなくっちゃ」

「はい」

少しはにかんだようなマルロスの腕をぐいぐいと引っ張りながら、ナミはまずは近場の適当な店に入る。
紳士服売り場に足を向けるが、シャツやジーンズなどを眺めたナミが、すぐさま売り場に背を向ける。

「ナミさん?」

「ここじゃダメね、マルロスのサイズがないわ」

ナミにそう言われて初めて、マルロスは自分の身長の高さに気付いた。
こうして町を歩いていても、マルロスだけ頭ひとつ以上飛び出していて、昔からの人の子より背が高かったのを思い出す。
昔は、自分より背の高いエルフが居たこともあり、自分がそんなに背が高いとは思わずにいたのだ。
ナミに腕を引かれながら、改めて自分の身長について考えていたマルロスは、不意にナミが立ち止まったことに反応が遅れてつんのめる。
バランスを取り直し、先程覗いた店とはまた違った雰囲気の店を見付けたナミに引かれて、マルロスもその店に入る。

「う〜ん………マルロスって、Tシャツとかは似合わないような気がするのよね、何となく雰囲気的に」

「そうですか?」

「そうなの。ラフなTシャツとかジーンズは買うけど、普段着にはもっと似合う物よね」

何着か手に取り、隣に立ったマルロスに交互に当てては似合いそうな物を探すナミは、店の中に並ぶ服を眺める。
最初に入った店より、この店の方がサイズもデザインも豊富に取り揃えてあり探す方としてはありがたい。
だが、その中から似合うものを見繕うのはそう容易いことではない。
ひとまず、シンプルなシャツを数枚とジーンズを数本選び、今度は普段着用の服を見て回る。
マルロス自身、これまでずっと動きやすい服なら何でも良い、と大してこだわりもなかったために選び方さえ判らない。
仕方なく、ナミが服を見て回っている後ろにくっついて回る。


 

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あきゅろす。
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