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広い世界の夢物語


気まずい雰囲気に気付いて、マルロスは口元に微かな笑みを浮かべる。

「ごめんなさい……つい浮かれちゃって」

「いえ、そんなに気にしないてください。確かに私にとってとても大切な物ですが、見せることくらい出来ますから」

謝るナミにそう言って、手元に返された髪留めをもう一度ナミの手に乗せ、輝く宝石をゆっくりと指で撫でる。
贈ってくれた親友を想ってか、目を細めて懐かしげな眼差しで髪留めを見つめる姿は、まるで一枚の絵画のようで。
すぐ目の前で見ていたナミだけでなく、近くに居たルフィやウソップも目を奪われる。
隅でぼーっと見ていたゾロも、キッチンのシンクに寄り掛かって見ていたサンジも、マルロスの横顔に見惚れる。

「………どうかしましたか?」

皆が皆、自分を見ていることに気付いたマルロスが不思議そうな表情を浮かべると、気まずそうに顔を逸らす者が数名。

「何でもないわ」

そう言うナミに、マルロスは首を傾げながらも深くは追求をせずに、ナミが返した髪留めや額飾りを付け直す。
室内だから、とブローチを外す際に脱いだマントは羽織らず、胸元に金細工のブローチを留める。

「そうだマルロス、船ん中案内してやるよ!!」

「あぁそうだ、マルロスのハンモックの用意しねェと」

ルフィがマルロスの腕を引いて立ち上がれば、思い付いたようにウソップも後に続く。
早く早くと、腕を引っ張って急かすルフィに戸惑い気味にラウンジを連れ出されていくマルロスを、ナミが苦笑いを浮かべながら見送る。


 

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あきゅろす。
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