広い世界の夢物語
6
「マルロスの髪ってキレーだよなァ、キラキラしてんぞ」
「サンジとは違う金髪だな、黄金色って言うのか?」
マルロスの長い髪を摘まんで、ルフィとウソップが興味津々に眺めているのを見て、ナミがふとマルロスの髪留めに視線を向ける。
蒼味を帯びて輝く少し大振りの宝石と、それを飾る見事な銀の細工にナミが飛び付く。
「ちょっとこの髪留め、もしかしてブルーダイヤ!?しかもこの細工って純銀じゃない!?」
「おいナミ、目がベリーになってるぞ……」
呆れたようなウソップの言葉など聞き流し、目を輝かせてナミがマルロスに詰め寄る。
今更ながら、マルロスの額飾りにもナミが食い付き、金細工のブローチにも目を輝かせる。
「あ、あの……」
「額飾りもブルーダイヤ?こっちのブローチは純金でしょ!?やだ、いくらになるかしら……」
頭の中で計算を始めたらしいナミに、困惑しているマルロスは助けを求めるように周りを見回すが、ああなったナミは止められないとばかりに一斉に首が振られる。
手に取って見たいとせがむナミに、僅かに躊躇いながら髪留めと額飾りを外し、マントを留めていたブローチも外してナミに手渡す。
「………綺麗な細工ね」
「………昔、親友から貰った物なんです」
懐かしむように、だけど何処か悲しげに微笑みながらそう言ったマルロスに、ベリーになっていたナミの目が元に戻る。
マルロスが親友を亡くしたことは、ついさっき聞いたばかりなのだ。
[*前へ][次へ#]
無料HPエムペ!