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広い世界の夢物語


「マルロスの髪ってキレーだよなァ、キラキラしてんぞ」

「サンジとは違う金髪だな、黄金色って言うのか?」

マルロスの長い髪を摘まんで、ルフィとウソップが興味津々に眺めているのを見て、ナミがふとマルロスの髪留めに視線を向ける。
蒼味を帯びて輝く少し大振りの宝石と、それを飾る見事な銀の細工にナミが飛び付く。

「ちょっとこの髪留め、もしかしてブルーダイヤ!?しかもこの細工って純銀じゃない!?」

「おいナミ、目がベリーになってるぞ……」

呆れたようなウソップの言葉など聞き流し、目を輝かせてナミがマルロスに詰め寄る。
今更ながら、マルロスの額飾りにもナミが食い付き、金細工のブローチにも目を輝かせる。

「あ、あの……」

「額飾りもブルーダイヤ?こっちのブローチは純金でしょ!?やだ、いくらになるかしら……」

頭の中で計算を始めたらしいナミに、困惑しているマルロスは助けを求めるように周りを見回すが、ああなったナミは止められないとばかりに一斉に首が振られる。
手に取って見たいとせがむナミに、僅かに躊躇いながら髪留めと額飾りを外し、マントを留めていたブローチも外してナミに手渡す。

「………綺麗な細工ね」

「………昔、親友から貰った物なんです」

懐かしむように、だけど何処か悲しげに微笑みながらそう言ったマルロスに、ベリーになっていたナミの目が元に戻る。
マルロスが親友を亡くしたことは、ついさっき聞いたばかりなのだ。


 

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