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広い世界の夢物語


広場から宮殿に続く階段を駆け上がり、そこに居たチャカに兵士が声を掛ける。
振り返ったチャカは、ビビとマルロスの姿に驚きながらも、無事だったのかと安堵した。

「チャカ、お願い!!やってほしいことがあるの!!」

駆け寄ったビビは、チャカの服を掴んで叫ぶ。
周りの兵士達は、突然戻ってきたビビに驚いている。
息を切らし、やってほしいことをチャカに告げたビビに、チャカは驚き声を上げた。

「正気ですか、ビビ様……!!そんな事をしたら……!!」

「そんな事したら何?この国が終わっちゃう?違うでしょ!?ここが、アラバスタじゃないもんね!?」

微笑みさえ浮かべながら、ビビは静かに言葉を紡ぐ。

「アラバスタ王国は、今傷つけあってる人達よ!!彼らがいて、ここは初めて"国"なのよ!!」

必死に叫ぶビビの姿を、マルロスは黙って見守っていた。
数秒間、戦っている彼らの目を引くことができればいい、とビビはもう一度言う。

「この宮殿を破壊して!!」





 

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