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広い世界の夢物語


戦場を走り抜け、人気のない大通りに入った時には、カルーの足取りはもうふらふらだった。
ついには、前のめりに倒れてしまったカルーの背中から、ビビとマルロスは投げ出される。

「グエッグエッ」

身振りで、早く行けと急かすカルーの側を、ビビは離れられなかった。
迫り来るMr.2に、マルロスがビビとカルーを守るために双剣を抜いた時、カルーが一際大きく鳴いた。
すると、その声を合図に超カルガモ部隊が2羽、Mr.2に体当たりを食らわせた。
その勢いでMr.2は吹っ飛び、マルロスは驚いて体当たりをした2羽を見つめた。

「反乱はまだ止まるんだろ、ビビちゃん。よくやったなカルー隊長、男だぜ……!!」

「サンジさんっ!!!」

そのオカマ俺が引き受けた、とサンジがネクタイを絞め直しながら現れる。
マルロスも安堵し、双剣を鞘に戻す。
超カルガモ部隊にカルーを任せて、マルロスはビビの手を取り立たせる。
ジャマするなと怒鳴るMr.2は無視して、サンジはマルロスにビビちゃんを頼むぞ、と声を掛ける。

「行け!!」

サンジの言葉を合図に、ビビとマルロスは走り出す。





人気のない大通りを走り抜け、北ブロックと呼ばれる地域に辿り着いた時には、ビビは息が切れていた。
マルロスも、ビビを庇って馬に踏みつけられた時に負った怪我が痛み、普段なら何ともない距離だったのに息が切れていた。
反乱軍の到着に備えていた兵士達が、口々にすぐに立ち去れと警告している。

「おい聞いてるのかお前ら!!ここは遊び場じゃないん……」

「わかってます……」

「あ……ビビ王女!?」

顔を上げたビビに気付き、兵士達に驚きが走る。

「チャカの元へ案内しなさい!!やってほしい事があるの!!」

息を切らし、それでもきっぱりと言い放ったビビに、兵士達は慌てて道を開ける。
1人が先に立ち、案内をしようとした時、ふとマルロスの存在に気付いた。

「ビビ様……こちらは?」

「私の大切な仲間の1人です。チャカも知ってるから、一緒に案内して」

「わ、判りました」

多少訝しみながらも、国王軍の兵士に案内されて向かうは、やはり宮殿だった。



 

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あきゅろす。
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