広い世界の夢物語
6
門に向かって走るカルーは、足はガクガクで息も荒い。
本当なら、ビビを庇って馬に踏みつけられて負った怪我で、もう走れないはずだった。
それでも、ビビを守るために走るカルーの背後に、Mr.2が迫ってきている。
「だめよ!!真っすぐ行けば、階段で追い込まれる。降ろしてカルー!!戦うから、私っ!!」
「くっ………カルー、ビビさんを連れ……え!?」
「クエエエエエ!!」
カルーは階段ではなく、絶壁を駆け上っていく。
咄嗟に、マルロスは抱えたビビを落とさないようにきつく抱き締め、カルーの背中にしがみつく。
体重が軽いとは言え、怪我をしたカルーは人2人を乗せてアルバーナの絶壁を上りきったが、頂上付近で崖から足が離れる。
足が空を掻き、落ちると覚悟を決めそうになった時、カルーは必死で羽ばたいた。
そして驚くことに、ほんの僅かな距離とは言え空を飛んで、崖の縁にしがみついたのだ。
「ここまで来れば、Mr.2もさすがに追っては………!!」
「追ってきてる!!カルー、這い上がれるか?」
「クエッ」
信じられないことに、Mr.2も崖を上ってくる。
とにかく上に這い上がり、戦場を切り抜けなければならない。
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