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広い世界の夢物語


荷物を抱え、入り江に停めた船に駆け戻った麦わらの一味は、すぐに船出の準備に入る。
ビビによれば、船で河から内陸に入ってから砂漠を越えるつもりらしく、ナノハナに寄ったのは必要物資の調達のためだと言う。
最後の荷物を運び込み、船出の準備も整った。

「ルフィ、マルロス!!さっさと乗れよ」

「あ――――」

「あ、カルー、マルロスさん、待って!」

ウソップに呼ばれ、船に乗り込もうとした時に突然ビビに呼び止められ、マルロスは首を傾げる。
どうかしましたか、と問うと、ビビがカルーとマルロスの顔を見つめて、紙を取り出す。

「マルロスさんとカルーにしか頼めない仕事があるの!」

「クエ!?」

「何でしょう?」

「このまま北のアルバーナへ先行して、父にこの手紙を!これにはクロコダイルとB・Wの陰謀、イガラムと私が調べ上げた全てが記してあるわ。そして私が今、生きてこのアラバスタに心強い仲間と共に帰って来てるってことが」

そんな大切な手紙を預かっても良いのか、マルロスは僅かに躊躇いを見せる。
そんなマルロスの微妙な表情の変化に、船で見ていたナミが気付いて笑う。

「アラバスタに着く前にビビに相談されたの。私達の中で、王様に逢えるような礼儀があるのってマルロスぐらいでしょ?カルーだけじゃ、正確には伝えきれない部分も出るだろうし、適任だと思うの」

「そう、ですね………ルフィ、しばらく別行動になりますが良いですか?」

「ん?後で合流すんだろ?だったら別に良いぞ」

ルフィが頷いたのを確認して、マルロスはビビから手紙を受け取る。
その手紙を大事に懐にしまい、マルロスは羽織っていた紫暗色のマントのフードを被ると、サンジから食料と水筒の入った小さめのリュックを受け取り、カルーの背に跨がる。

「……じゃあ、父に伝えて!!この国は!救えるんだって!!」

「クエッ!!」

「必ず……!!」

ビビの言葉にカルーと頷き、マルロスは砂漠へと走り出す。





 

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