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広い世界の夢物語


朝食の後、ナミの診察を終えたチョッパーがクルー全員の健康診断を始めた。
順番に健康診断が進み、最後にマルロスの番となる。

「私はいいですよ、病気とは無縁ですから」

「ダメだ!!誰だって病気になるんだから、自分だけは大丈夫なんてことないんだぞ」

「でもマルロスは平気だろ?なんたってエルフだからな」

「え………?」

自信満々に言いきったルフィの言葉に、チョッパーはきょとんとする。
同じように、側で聞いていたビビも首を傾げているのを見て、マルロスは2人が何も知らないことを思い出す。

「えっと、実はですね……」

ルフィ達にも話したように、マルロスは自分のことを最初から話し始め、チョッパーとビビは驚きながらも聞いていた。
年老いることもない、病に冒されることもない、永遠を生きるエルフ族であること。
元はこの世界で産まれたが、訳あって今まで別の世界に生きていて、一度命を落としたことでこの世界に戻ってきたこと。
簡単にそう説明したマルロスの話を、素直に信じたチョッパーとは違って、ビビは最初は信じられなかった。
途方もない話だし、証拠は何もないのだから無理はないが、クルーは全員マルロスの話を信じているようで。
ビビはただ、黙ってマルロスを見つめた。
美しい黄金色の髪、宝石みたいな碧翠色の瞳、日に焼けることのない白い肌。
男とは思えない程に美しく整った顔立ち、耳に心地好い優しく澄んだ美しい声、しなやかで均整の取れた背の高い体躯。
それら全てが、エルフと言う特別な種族にだけ与えられたものだと言うのだろうか、とビビは考える。
もしもそうならば、これ程完璧な種族は他に居ないだろう。
そう思って、ビビは緩く首を振る。
マルロスの話しはすぐには信じられないが、マルロスが特別な存在だと言うことは目に見えて判った。


 

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あきゅろす。
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