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広い世界の夢物語
城へ

さて、これからどうしようかと4人で相談を始めると、ビビがすぐに口を開いた。
じっとしていられないと、山を登ろうと言い出したビビは他の3人を説得するよう、心配事を次から次へと挙げる。
それを聞いていたウソップが、不意にビビの言葉を遮る。

「ビビ、落ちつけよ。お前は何もかも背負いすぎだ!!」

ナミにはルフィ達ついてるから大丈夫、そう優しく言い聞かせるウソップに、ビビはゆっくりと息を吐き出す。
仲間を信じることも大切だ、そう言外に教えてくれたウソップにビビが礼を言おうとすれば、呆れ顔のゾロがウソップの額を小突く。

「おめェは山登るのが恐ェだけだろ」

ゾロの言葉に、ウソップは足を震えさせながらいかに山を登るのが危険か訴えるが、ゾロには通用しない。
怖がっているだけの姿に、若干ビビが呆れたような表情を浮かべたが、そんなビビの肩をマルロスが軽く叩く。

「少しくらい、肩の力を抜いても大丈夫ですよ」

「えぇ、ありがとう」

マルロスの優しい微笑みに、ビビはほっと力を抜く。
心配事は山積みだが、不思議な程、マルロスの微笑みに安心した。

「ドルトンさん!!無茶だ!!」

不意に騒がしくなったかと思うと、民家で手当てを受けていたドルトンが、武器を手にふらつきながら外へ出てきた。
何事かと思えば、ワポルと戦うつもりらしい。
立つことすらままならない状態で、それでもやっと得た這い上がる好機を逃すまいと、必死になっている。
村人達が引き止めようにも、ドルトンの意思は固い。
刺し違えてでもワポルを倒す、そう言うドルトンの気迫に、村人達は息を呑む。
武器を支えに、ふらつきながら立ち上がったドルトンの前に、ふと人影がしゃがみこむ。

「乗れ!!おれが連れて行ってやる!!城へ!!」

「ウソップさん……」

ドルトンに背を向け、自分よりも大柄で体格の良いドルトンを背負おうと、ウソップが雪の上に方膝をついていた。


 

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