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広い世界の夢物語


となり町、ココアウィードに向かう途中のソリの上で、ドルトンは読み誤ったと告げる。
昨日山を降りた情報から、もう数日は下山はないとふんでいたらしく、まさか2日続けて下山するとは予想外だった。
自分のせいだ、と遠回しにそう言うドルトンにウソップがあんたのせいじゃないと、後ろから身を乗り出す。
問題なのは、ナミを連れていった2人の異常な脚力で、追い付けないのは仕方ない、と。
とにかく、となり町に来ている魔女に急いで城に帰ってもらわなきゃ、と改めて確認する。
それを黙って聞いていたドルトンが、不意に呟いた。

「許してくれ……」

「え?」

「医者すらままならんこの国をだ……」

ドルトンが謝ることではない、ビビがそう声を上げたが、ドルトンはそれ以上何も言わなかった。
マルロスはただ、黙ってその背中を見つめていた。





ココアウィードに着き、何故か扉が破壊された形跡のある店に向かうと、そこは飲食店で客も大勢いた。
話を聞けば、確かにこの店に魔女が現れたのに、もうこの町を出たと言うのだ。

「何てこった、すれ違いかよ」

頭を抱え、ウソップが思わずぼやいた。
何でも魔女は、この店の主人の息子の病気を治療して、報酬をありったけ貰って立ち去ったらしい。
急患なんだ、とドルトンが魔女の情報を求めると、誰かがギャスタに向かうのを見たと言う証言があった。
何処かと訊ねれば、このココアウィードから更に北へ行った場所にある湖畔の町だと、ドルトンが教えてくれる。

「行きましょう!!ここまで来たら迷ってるヒマはないわ」

ビビの言葉に、揃って頷いた時だった。
突然店の扉が乱暴に開かれ、慌てた声がドルトンを呼ぶ。


 

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