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広い世界の夢物語
すれ違い

「大丈夫かねェ……彼らは…」

降りの強くなってきた雪の中、ふとドルトンが呟く。
ラパーンに出遭わないといいんだが、と心配げに山の方を眺めるドルトンに、ウソップはただの肉食のうさぎだろうと確認する。

「そう………うさぎの機敏さに熊の体格を持ち合わせ、集団で襲ってくる」

「え………熊!?」

「だ……大丈夫かしら、そんなに大きいの……!?」

今更知った情報に、ビビが驚いて呟く。
マルロスは、頬が僅かに引き吊るのを自覚しながら、それでも大丈夫だろうと答えた。

「ルフィとサンジなら、きっと大丈夫ですよ。ただ……心配なのはナミさんです……」

果たして、魔女の城に辿り着くまで病に冒されたナミの体力がもつだろうか、その方がずっと気掛かりだった。
その時、ドルトンに声を掛けた村の女性が魔女について、思いがけない真実を教えてくれた。

「ちょうど今ね!となり町に降りてきてるらしいわよ!!」

「な…………!?何ですと!?」

「すれ違い……?」

思わず、マルロスがぽつりと呟いて空を仰ぐ。

「や、やばいんじゃないか?どうする、マルロス!!」

「落ち着け、ウソップ……今から私達の足で2人を連れ戻すのは無理だ。ならば、魔女に直接頼むしかない」

「頼むって……」

「事情を説明して、急いで城に戻ってもらうんだ」

「それしかないだろうな。すぐに準備をしよう」

傍らで聞いていたドルトンが、すぐにとなり町へ行くための準備を始める。
ビビからマントを受け取り、バサリと雪を払ってから羽織ってブローチで留め、マルロスも準備を整える。
ドルトンは、二頭の大きなヤギに似た動物を繋いだソリを運んできて、3人に乗るように声を掛ける。
3人が乗り込むのと同時に、ドルトンが手綱を操ってソリを走らせる。



 

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あきゅろす。
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