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広い世界の夢物語


緊迫した空気の中で、ナイフに突き刺した肉の塊をむさぼる男が、のんびりとぼやく。

「フム………これで5人か……たった5人、ということはあるめェ……」

ボキン、とナイフまで食べるその様子にクルーが顔をしかめるのに構わず、船長らしきその男が言葉を続ける。
ドラム王国へ行きたいと言うその男は、エターナルポースかログポースを要求する。
だが、聞いたこともない国の名前だとサンジが素直に応じてやれば、持っていないならお宝と船をもらうと抜かす。
挙げ句、小腹が空いたと言い、船を食べ始める。
ルフィが慌てて怒鳴ると、銃を構えた手下の男がワポル様は食事中だから動くなと凄むが、ルフィの拳骨一発で倒れて動かなくなる。
やりやがった、と男達が色めき立つ。
だが、大人しくしているのもこれまでだとばかりに、ルフィを始めゾロとサンジも暴れ出す。
逃げ惑うウソップを放って、銃撃が響き渡る中、マルロスは腕を組んで扉の前に立ち塞がる。
敵の殆んどはサンジに蹴り倒され、ゾロに斬り倒され、ルフィに殴り倒される。
3人に任せておけば良いと、マルロスは腰の双剣を抜く素振りも見せず、傍観に徹する。
船を食らうワポルとか言った船長に、ルフィが駆け寄り怒鳴り付ける。
それを見て、男達は声高に笑い飛ばしている。

「"バクバクの実"の能力で食われちまえ!!」

男達の言葉に、マルロスが僅かに表情を変えた時、ルフィが文字通りワポルに食われた。
だが、その口から伸びている二本のそれに気付いて、クルーは心配は無意味と悟る。
そんな中、扉の向こうに足音を聞き付けたマルロスがゆっくりと扉の前を退くと、ビビが勢いよく扉を開く。
ナミに何かあったのかと、マルロスは一瞬思ったが、銃声に驚いたのだろうと判断する。
ビビと入れ違うように、ナミのところへ向かうマルロスの背後で、ルフィの声が響く。

「吹き飛べェ――――っ!!」

もう心配は要らないだろう、とマルロスは思いながら、船室に続く扉を開く。




 

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