広い世界の夢物語 襲撃 医者を探して1日が過ぎた頃、吹雪く海の上をメリー号は進んでいた。 船室では、マルロスとビビとサンジがナミの看病をし、残りは島影を探して海を見ていた。 一向に熱の下がらないナミに、サンジとカルーが騒ぎ立ててはビビに怒られ、マルロスは苦笑いを浮かべる。 そんな時だった、突然船が大きく揺れ始める。 サンジが咄嗟に、ベッドが揺れないように片足で支えながらバランスを取り、甲板のクルーに怒鳴る。 ビビが転ばないようにマルロスが支え、心配げに船室の天井を見上げる。 じきに揺れが収まり、元のようにベッドを下ろしたサンジが、マルロスに目配せをする。 ひとつ頷いて、マルロスはサンジの後に続く。 「ビビちゃん、ここ頼むっ!!」 船室を飛び出し、邪魔な手袋を外して、サンジが甲板に続く扉を開く。 その途端、カチャリと金属が触れ合う音がサンジの耳元で響いた。 そして、甲板に広がる光景に足を止めたサンジは、ポケットから煙草を取り出し火をつける。 後に続いていたマルロスも、その光景に素直に足を止めると、ゆっくりと扉を閉める。 「…で?…どうしたって…?」 「襲われてんだ今、この船」 「まあ……そんなトコじゃねェかと思ったけどな………見た感じ……」 ルフィの簡潔な答えに、紫煙を吐き出しながらサンジが呟く。 メリー号の甲板は、黒のロングコートに身を包んで銃を構えた大勢の男で埋まり、クルーに無数の銃が向けられている。 [*前へ][次へ#] |