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広い世界の夢物語


もしかして、とマルロスはナミの顔をそっと覗き込めば、微かな頷きが返ってくる。
3日前の新聞に載っていた、アラバスタで起きている反乱の記事を、マルロスも読んでいた。
国王軍の兵士30万人が、反乱軍に寝返ったと言う記事を読んだマルロスは、ナミと相談してビビには秘密にしていた。
教えても船の速度は変わらないから、余計な心配をさせるぐらいなら秘密にしようと、ナミが新聞を隠したのだ。
それを何故、今になってビビに見せるのか。
事実を知り、ただ帰り着くだけでは意味がないことを知ったビビが、新聞を握り締める。
ナミに判ったかと聞かれ、大変そうな印象を受けた、と大雑把に状況を理解したルフィ。
そんなルフィ達に背を向け、ナミはふらつきながら歩き出す。
大丈夫だと強がりながら。

「心配してくれてありがと」

振り返り、微笑んでそう言ったナミは船室を出て行く。
罪のない国民同士が、無意味に殺し合う、それだけは何としても止めなければ。
涙を堪えるように、身を切られるような焦燥感を必死で抑え込むように、ビビが吐き出す。
間に合わなくちゃ意味がないんだ、と。
その言葉を背に、マルロスはナミを追い掛けて甲板に向かい、響くナミの怒鳴り声に顔を上げる。
どうやら、指針を任されていたはずのゾロがエターナルポースではなく雲を目印にしていたらしく、船が進路からずれているらしい。


 

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あきゅろす。
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