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広い世界の夢物語


リトルガーデンを出航後、ナミの様子がおかしかった。
それに最初に気付いたのは、マストに寄り掛かるナミの顔色に違和感を感じ、ふと足を止めたマルロスだった。
頬が紅潮している、と気付いたまでは良かったのだが、それが何を意味するのかマルロスには判らなかった。
島食いのことで疲れた、と言うナミは、指針をビビに任せている。
妙にぐったりした様子に、マルロスは違和感と共に胸騒ぎに似た不安を覚え、彼女達の傍らに座り込む。
側に寄り添うカルーの頭を優しく撫でながら、マルロスの注意はナミに向けられていた。
ようやくアラバスタに帰れる、反乱を止められると気負うビビに、ナミは安心させるように笑顔を見せる。
だが、その笑顔にも違和感を感じたマルロスは、眉を寄せて彼女を見つめる。
ただ疲れてるだけとは言え、やはり船室で休ませた方が良いのかどうか、マルロスがカルーを撫でながら迷っていた時。
船室で休もうと、立ち上がろうとしたナミがぐらっと倒れる。
咄嗟に、マルロスが腕を伸ばして身体を支えたおかげで、甲板に倒れるのは免れた。
しかし、マルロスの腕からナミは起き上がらない。

「ナミさんっ」

マルロスがナミを仰向けに抱き直して、心配げに顔を覗き込めば、頬は真っ赤に紅潮して汗ばんで息も荒い。
ビビが慌ててナミの額に手を添え、驚いたようにすぐさま手を離すと、他のクルーを呼び集める。

「みんな来て!!大変っ!!」

「なんだ、どうしたビビ!!」

「ナミさんが………!!ひどい熱を……!!」

飛び出してきたルフィ達も、マルロスの腕の中で動かないナミにただ事ではないと、慌てて船室に寝かせる準備に走る。


 

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