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広い世界の夢物語


「しかし……次の島へのログが一年ってのは深刻だな」

「そうよ!笑い事じゃないの、本当に」

ゾロの言葉に、ようやく深刻さが戻る。
礼をしたいと言う巨人達に、ルフィがログを何とかしてくれよと頼んでみるが、ログばかりはどうすることは出来んと言われる。
どうしたものか、と皆で頭を抱えている最中、ふとマルロスがジャングルに振り返る。
直後、ジャングルの中からサンジが出てくる。
締まりのない顔はいつものことだが、命懸けで戦ったウソップには腹立たしかったらしい。
助けにも来ないで今頃来やがって、とぶちぶちと文句を言うウソップは無視して、サンジが駆け寄ってくる。
が、そこに居る巨人に驚いたサンジが、思いがけない一言を発する。

「お前がMr.3か!?」

今まで何をしていたかは知らないが、バロックワークスとの戦いとは無縁だったはずのサンジの口から、ルフィがぶっ飛ばしてきたMr.3の名前が出てくるとは。
驚いたナミが、マルロスのコートを羽織っただけの格好でサンジに問い掛ければ、いつものようにサンジの目がハートになり飛び出す。
そして、さっきまでのことを話し始めたサンジの言葉に、ビビが驚きの声を上げる。
まさか、つい今さっきまで電伝虫でMr.0と話をしていたとは。

「私達はもう死んだことになってるの!?」

「ああ……!そう言っといた」

紫煙を燻らせながら、サンジがにやりと笑う。
Mr.3になりすまし、ボスに嘘の情報を流したサンジの機転で、おそらく追手はもう来ない。
だが、この島を出ることが出来ない現状にウソップが涙を堪えて嘆くと、不思議そうにサンジは首を傾げる。

「まだ何かこの島に用があんのか?せっかくこういうモンを手に入れたんだが……」

「!?」

「………え!?なに?」

サンジがポケットから取り出した物、それはひとつのエターナルポース、しかも行き先はアラバスタ。
全員が歓声を上げる。
嬉しさのあまりにか、ビビは思わずサンジに抱き付く。
現状をよく判らないまま、取り敢えずビビに抱き付かれて鼻の下を伸ばすサンジを放って、急いで出航するべく船へと戻ることになる。
狩り勝負のことを忘れていないゾロとサンジは、俺の方がでかいと獲物も見ずに自信満々な様子だ。
そんな2人に苦笑いを浮かべ、マルロスは木苺で一杯の篭を拾い上げると、巨人達に軽く頭を下げて仲間の後を追う。



 

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あきゅろす。
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