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広い世界の夢物語


篭が一杯になると、マルロスは熟した木苺で赤く染まった手を洗いに、もう一度湖の畔へ足を向ける。
澄んだ水で手を洗い、ふとジャングルが騒がしいことに気が付く。

「……何かあったのか?」

空を飛ぶ鳥に訊ねようにも、人の言葉を知らない鳥達ばかりで判らない。
船に残してきた2人が気にかかり、マルロスは篭を持って立ち上がると、少し急ぎ足でジャングルへ向かう。

「少し長く、船を空けてしまったかな……」

何が潜んでるか判らないこの島で、ナミとウソップを2人にしてしまったことを不安に覚え、マルロスは急いで船に戻る。
ジャングルのざわめきは、徐々に増していく。
ふと、倒れた木の幹を飛び越えたマルロスは、ナミから借りた本を思い出す。
あれは何の本だったか、確か冒険家の話を集めたものだったろうか。
巨人島"リトルガーデン"。
どうしてすぐに思い出さなかったのか、確かにあの本にそう書いてあった。
巨人については、ナミも詳しくないからと言ってよくは知らないが、ジャングルのざわめきからよくないことが起こっていることは判る。
巨人が関わっているのか、それとも別の理由かは判らない。
とにかく、急いで戻らなければとマルロスは走り出す。


 

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あきゅろす。
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