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広い世界の夢物語


「こ……この島には上陸しないことに決定っ!!」

「……船の上で、ログがたまるのを静かに待って……!!一刻も早く、この島を出ましょ……!!は……早くアラバスタへ行かなきゃね」

それが一番安全だと、ナミとウソップが判断したまでは良かった。
しかし、船長は違った。
黙ってジャングルを見つめていたかと思うと、楽しげな声でサンジを呼ぶ。

「サンジ!!弁当っ!!」

「弁当ォっ!?」

「ああ!!海賊弁当!!冒険のにおいがするっ!!」

満面の笑みを浮かべ、ルフィは既にうきうきしている。
慌てたナミが引き止めようとするが、あまりにイキイキとしたルフィは止まらない。
早く弁当っ、とサンジを急かしている。

「………………ねェ!!私も一緒に行っていい!?」

思いがけないビビの言葉に、ナミが驚く。
じっとしていたら考え込みそうだから気晴らしに、と言う王女様の発言に、ナミは返す言葉もない。
カルーがいるから大丈夫、とビビは笑うが、カルー本人は言葉にならないくらい驚いてる。
そんなクルー達の様子を眺めながら、マルロスは何やら考え込んでいた。




おおよそで戻ってくるから、と言い置いて、ビビとルフィの2人はジャングルに消える。
その姿を見送って、ウソップとナミがしみじみと呟く。

「度胸あるな、ミス・ウェンズデー」

「さすが、敵の会社に潜入するだけあるわ」

信じられない、とも言いたげな2人に、ゾロも呑気に散歩してくると言い出す。
そんなゾロにサンジが、食糧が足りないから食えそうな獣がいたら狩ってきてくれ、と船の上から声をかける。

「ああわかった、お前じゃとうてい仕留められそうにねェヤツを狩ってきてやるよ」

「待てコラァ!!」

挑発的なゾロの言葉が、サンジの逆鱗に触れる。

「聞き捨てならねェ………!!てめェが、おれよりデケェ獲物を狩って来れるだと……!?」

「当然だろ!!」

「狩り勝負だ!!」

どっちがより大きな獲物を狩って来れるか、訳の判らない理由で勝負を始めた2人に、ウソップとナミが涙を流す。
そんな2人に、今度はマルロスが爆弾を投下する。

「じゃあ、私も少し散歩してきますね。ついでに、食べられそうな果物でも採ってきます」

「えぇ!?」

穏やかな笑みを浮かべ、篭を片手に船から岸へ飛び降りたマルロスは、ナミとウソップが止めるより早く歩き出す。
その背中を、2人は唖然と見送る。


 

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あきゅろす。
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