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天秤的思考回路
「好いとぅよ」



え、なに?なんつった?



「冗談?」

「冗談で告白なんかせんよ」

「じゃあ詐欺?」

「詐欺なら告白する訳でもない」

「だったら、何?」

「本気。先輩と付き合いたいんじゃ」



呆れた。
中学生の時の後輩が、校門に立ってて話しかけてみたら、これだ。
おい、ここ校門だぞ。
とりあえず、喫茶店行こうか。



「先輩とデートじゃな」

「違うでしょ。それよりさあ、」

「んー?」

「あんた、彼女いるよね」

「うん、一応」

「今何人いるの?」

「4人」



ぬけぬけと、よく言うわ。
卒業してから幾度か会っているが、仁王に女は途絶えない。
恋愛詐欺にまで手を染めたか?
整った顔してるからなあ、とかそうじゃない。



「つまり、仁王は私に5人目になれと」

「ピヨ」

「…はぁ。何かあったの、仁王?」

「先輩、」

「お姉さんに話してみ?」

「精神年齢は俺のが上じゃ」

「うっさいな!」



くくっと仁王が笑う。
中3になってから、いきなり遊び人になった仁王。
ジャッカルや柳生からも、仁王を心配している様子のメールが来るし。
まぁ、面倒見の良い先輩としては放っておけない。



「今までの彼女に本命いるの?」

「いない。鳴先輩が本命じゃよ」

「またそんなこと…」

「鳴先輩がいないから、寂しいぜよ」

「時々会えてるでしょ」

「鳴がいるから、苦しいんじゃ」

「………え?」

「今の女とは別れる。だから鳴先輩は、丸井と別れてくれんかの」





 横
  恋
   慕
    情

「丸井と上手くいってないことくらい、わかっちょるぜよ」
(たすけて、ブン太、たすけて)










あとがき。
仁王の方言がよくわからんの。

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あきゅろす。
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