ごった煮な部屋
拍手8(長編夢・二度目まして/灰崎)
始めて会った時から、本当掴めねぇし、ムカつく野郎だった。
「一発殴らせろ。」
『断る。』
小せぇし、弱そうなのに回し蹴りしようとした俺の足を掴み、一回転させて投げてきやがった。
「あー、お前本当ムカつくな。」
『そう言いながら構ってくるんだな祥吾は。』
何だそれ。まるで俺が構ってちゃんみたいな言い方だな。
「......クソッ。」
『あー、そろそろ部活行くから。また明日な。』
たまに何となく隣にいて。適当にジュースや菓子食ったりして、頃合いになると部活に向かう雪哉。
「......また、明日、か。」
そんなこと俺に言うのお前だけなんだよ。
もう大分遠くなった雪哉の背中はお世辞にも頼もしいものではなくて。
あいつらに比べれば断然華奢なあいつが、何か抱えてる気がしてならない。
「あー、ったく!」
前は警告だなんて言っちまったけど、結局心配してんのかよ。
この俺が。
いつかそんなことあったな、なんて笑いながら酒を飲める日がくるといい。
馬鹿げたあいつからの提案が本当になればいいなんて、大分毒された証拠だ。
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