ごった煮な部屋
拍手7(長編夢・二度目まして/高尾)
母親から、アンタと同い年の子が一人暮らししてるのよ、と聞いたことがあった。
帝光に通ってて、バスケ部で。両親が海外にいるなんて、大変そうじゃん、とか思ったりはしていた。
実際練習試合で見たそいつは、そんな大変そうな感じを微塵も感じさせず、帝光バスケ部のヤツらに溶け込んで楽しそうにバスケをしていた。
何か、腹が立って。
全部持ってんじゃん、とか。
だから、たまたま挨拶に雪哉がきていた時は若干の苛立ちを感じながらも母親から仲良くしなさいと言われたことを思い出し、そういう風に振舞った。
だけど、雪哉は。
『・・・でも、高尾くん俺のこと、嫌いだよね?』
そう言った。一瞬驚いて動けなくなった。
目の前の雪哉もしまったみたいな顔をしていた。
でも何か馬鹿らしくなってきて。
まあこういうタイプのヤツと付き合うなら、建前とかもういらねぇか、と俺も開き直ってみることにした。
「つー感じなワケよ。」
『ほー。まだ俺は好かれるにも嫌われるにも位置しないくらいの微妙な感じなのか。』
「ん、んー、まあそんな感じ?」
『和成とは悪友って響きが一番似合うかもな。』
ふ、と笑っていた。
「そうかもなー。」
『よろしく頼むよ悪友。』
同級生より多少大人びた、余裕そうなところはまだ腹立つ時もあるけど。その悪戯っ子みたいな笑顔は、嫌いじゃない。
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