ごった煮な部屋
拍手6(長編夢・二度目まして/赤司)
俺に抱きついてくる人間なんて、初めてだった。頭を撫でられるのだって、もう何年経験していないだろうか。
しかし、抱きつかれた時に見た雪哉の表情は、【可愛いもの】を見ているかのようだった。
それが妙に腹立たしかった。
妙にモヤモヤした気持ちは残ったが、部室で皆に彼は面白いな、と言ったら、満場一致でマネージャーに迎え入れたいとのことだった。
まあ、最初は渋々引き受けていたが、なんだかんだと真面目にやってくれているところを見ると間違った決断はしていないと感じる。
『ごめん。もうすぐで書き終わるから!』
「気にしないでいい。」
日誌が書き終わらないというので、俺だけ待つことにして他の部員は帰らせた。
「明日でも構わないと言ったのに。真面目だな。」
『待ってる間に明日の個人メニュー考えてるお前もなー。』
「後ろに目でもついてるのか。」
必死に終わらせようとしてるわりには周りを良く見ている。
『大体そのシャーペンの走らせ方はメニュー書いてる時だからな。』
なんだそれは。
「時間はあるからゆっくりでいい。」
『ありがとう。』
シャーペンの走らせ方一つで俺の行動が把握出来ているなんて。
期待させるのも大概にしろと言ってやりたい気持ちと、ただ単純に嬉しい自分がいて。
どうしていいか分からない。
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