ごった煮な部屋
拍手25(長編夢・たどり着いた場所は/レン)
雪哉を最初に見たのは食堂でおチビちゃんと一緒に話している時だったかな。
おチビちゃんと大して身長も変わらず、見た目が可愛らしい2人組って感じだったけど。話しかけてみたら、何となく眼が気になって。
どう取り繕っても雪哉には効かないような、そんな気分になった。
『レンは、わりと誰にでも優しいよな』
「ん〜...そうかい?」
基本的に女の子には優しくするようにはしているけど。
『あ、そういえば、あの後お兄さんと会ったりした?』
答えたくなかったらもちろん言わなくても良いけど、と前置きをされて。
「一応、実家に前帰ったけどね。少しは話したよ」
『そっか。良かった』
心配してくれていたのを知って嬉しくなる。
少し前の俺だったら余計なお世話だと思っていたかもしれない。何も知らないくせにと。
でも、雪哉と会えて、皆と会えて。
「オレは幸せだね」
『いきなりどうしたんだ?まぁ、俺も幸せだけど』
「...何故?」
聞くのが少し怖い気もした。
好きな人がいるから、なんて言われたら。自分が選ばれるような自信はまだない。
『そりゃあ...皆がいるからだな』
「え?」
『俺、前にレンに俺が皆と距離をおこうとしても、オレは話しかけるよ、って言われたの結構嬉しかったんだ。だから、その後から皆がと自然に付き合えるようになったんだ』
「本当に、かい?」
『嘘なんか吐かないって』
雪哉は軽く笑うけれど。
オレが雪哉と出会って変わったように、雪哉もオレと出会ったことで変わるような何かがあったことを、嬉しく思うんだ。
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