ごった煮な部屋
拍手21(長編夢・たどり着いた場所は/真斗)
始まりは入学日に一十木が俺達の席に雪哉を連れてきたことからだった。
最初は戸惑った様な表情を見せていたが、すぐに俺を含め皆と挨拶を交わしていた。人懐こくて、好かれやすいタイプに思えた。
「真衣がまた雪哉に会いに行きたいと言っていたんだが、いいだろうか」
『めっちゃ可愛い...』
「嫁にはやらん」
『父親か。それは各方面に色々大変そうだから...年齢も』
でも真衣ちゃんから好きと言われちゃったらグッとくると言われ、何故か焦った。妹を奪われそうだからか、それとも。
「どちらもか...」
俺は鈍いと良く言われるが、この気持ちは何となく分かる。雪哉が笑っていれば、俺も何となく幸せであると感じる。
『どうした?真衣ちゃんのことは流石にそんな目で見てないから安心していいからな』
「ああ。分かった」
『あ、でも今からブラウニー作ろうと思ってるから、真衣ちゃんにあげに行きたいなぁ』
どっかで待ち合わせでも良いけど、じいが許してくれるかな、なんて心配をしていたが。
「連絡しておく。......ところで、そのブラウニーは」
『ああ、真斗にもあげるからな!』
一瞬喜んだのもつかの間、すぐに他の皆の名前も呼んでいた。
だけど多分そういうところも含め、俺は好きになったのだろう。
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