ごった煮な部屋
拍手19(長編夢・たどり着いた場所は/all/正月)
「明けましておめでとう」
『明けましておめでとう』
新年、皆で初詣に来た。
「雪哉着物着ないのー?」
何故か音也が残念そうに聞いてくる。
『動きにくそうだし。俺は春歌と友千香の着物姿が見られて新年早々眼福』
「あ、ありがとうございますっ!」
「褒めてくれてるのはありがたいんだけど、気持ち悪い」
春歌は照れていたけど、友千香は大層白けた目で見ていた。早乙女学園で無料で着物を貸してくれたり着付けしてくれるところがあるみたいで、それを利用したようだった。
「残念」
そういえば最後まで俺が着物着ないのを残念がっていたのはレンだったな。
『俺がオールバックにして袴着てたらどう思う?』
「最高ですね」
成人式みたいか、と思ったらトキヤが即答してきて少し怖い。
「なーなー、おみくじ引こうぜ!」
初詣が終わってから翔に手を引かれておみくじを引いてみた。
『中吉か...』
「俺も」
何とも言えないけど、悪いこともあまり書いてないしまぁ良いか。
『う、ぉ』
元旦はかなり人が多くて人の波に攫われそうになる。というかなってる。
ああ、皆が遠ざかる。
「雪哉くん、大丈夫ですか?」
「掴まっていろ」
『真斗も那月もありがとう...』
男としてはめちゃくちゃ恥ずかしいけど助かった。
「そういえば、何をお願いしたんですか?」
帰り道、春歌がそう聞いてきた。
『1つは皆と多分同じだな』
「...ですね!」
卒業試験で優勝すること。
『もう1つは...秘密だな』
「何よもったいぶって〜」
来年も皆と初詣に来れますように。
そう思うほど皆のことが好きなんだ、なんてまだ恥ずかしくて言えない。
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