ごった煮な部屋
拍手18(長編夢・ああ、そうでした/高尾)
【ああ、そうでした】
自分の通っている高校でまさか雪哉を見かけるなんて思わなかった。
見違えるはずがない。
「誠凛での学校生活はどうよ」
【バスケ部もクラスも皆優しいし、楽しい】
「ふーん。良かったな」
本当にそう思っている。でも何となくもやもやした気持ちもある。ただの嫉妬だと自分でも分かっていた。
【和成はどうなんだ?秀徳】
「んー、まぁ真ちゃんも面白ぇし、先輩達も怖いとこもあるけど楽しいかな」
【そうか。良かった】
喋れなくなってから、こいつの態度もやっぱり変わってしまって。
クラスの人気者、って感じだったのがあまり目立たなくなったというか。クラスの皆もどう接していいのか分からなかったみたいだし。
「あのさ、小学生ん時雪哉のこと助けられなくてゴメンな」
もっと何か出来たかもしれないのに。そんな後悔があった。
【和成だけが、変わらず俺に話しかけてくれた。あの時は卑屈になってたし恥ずかしかったから言えなかったけど、ありがとう】
少し時間をかけてそう書いてくれた。
「変なこと言って悪ぃ!ありがとな!」
こういう奴だ。周りに段々人が集まっていくのも分かる。
俺だって昔から焦がれる想いはあるけど。
「今度、バスケしようぜ。1on1とか!」
【もちろん。楽しみだ】
やっとまた笑っている雪哉に出会えた。だから今度はそれを守っていきたい。
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