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ごった煮な部屋
拍手15(長編夢・ああ、そうでした/青峰)
温厚そうな顔してんのに、ヤンキーに絡まれれば投げ飛ばすし、バスケも強ぇし、何か気になる奴だった。




「お前、一人で歩いてると危ねぇぞ」


桐皇と誠凛はそこまで遠くねぇけど、珍しく帰り道で雪哉に会って。

【危なくない】

「暗闇だぜ?」

【いやだから別に危なくないって】

「前みたいに絡まれるかもしれねぇだろ」


何故か力こぶを作っている。いや、細ぇし、って言ったら胡散臭い笑顔と拳を向けられた。

【じゃあ大輝くん送ってくれるんだ?】

「あ?しょうがねぇな」


自分でも思う程にやけにアッサリとその提案をOKした。

歩いてる時に話しかけて返事を書かせるのも悪いと思って、あまり話しかけないようにしておく。


【別に話しかけても大丈夫だよ?】

「書いてる途中に転んだらどうすんだよ」


笑っているような息遣いが聞こえた。

「何笑ってんだよ」

【優しいなって。バスケ以外は】


「優しくねぇし、優しいバスケってなんだよ」

結局雪哉のペースで会話が始まってしまった。

俺の言葉にそりゃそうだとでも言うようにコクコクと頷いていた。そう言っているうちに家に着いたようだった。

部屋の明かりはついていないから、親は仕事でもしてんのか。


【ありがとう】

「ん?...あー、まぁ勝手に俺がやっただけだし。それよりも」

壁に手をつき、近付いた。

「世の中には送り狼ってやつがあること忘れない方がいいぜ?」


あまり焦った顔をしねぇからどんな顔をするかと思ったら、笑っていた。


【相手は選んだ方がいいよ】


「...ハハ、まぁ普段から気ぃつけとけよ」


軽く敬礼されて。



怖ぇ。今スケッチブックめくったらあの文字出てきた。何の時用に常備してんだよ。


別れてからもう一度振り返ったらもう家に入っていたみたいだった。


中学ん時、気付いてみたかったとマジで思うくらいには、多分気に入ってんだな、雪哉のこと。


それを認めたらスッキリしたから、また見かけたら話しかけてやろうと思った。

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