ごった煮な部屋
拍手14(長編夢・二度目まして/桃井)
雪哉くんは、赤司くんとはまた違った完璧超人みたいな人。
ある日、一軍の皆に呼ばれて部室に入ったら新しいマネージャーを入れたい、ということを言われた。
皆、彼に会ったことがあるようで、どうしても迎え入れたいと言っていた。
少し、興味があった。このバスケ以外なら合わなさそうな皆がわざわざ集まってまで。
最初は断っていたけど、赤司くんに何か弱みでも握られているのかな?途中で諦めたみたいだった。
マネージャーといえど、帝光中のバスケ部は生半可な気持ちでは務まらないし、もしかしたら辞めちゃうのかも、なんて最初は思っていた。
でもそんなことはなくて。凄いスピードで、ルールやマネージャーの仕事を覚えていた。
お料理も出来て、頭も良くて。途中から選手としても参加するようになっていた。
嫉妬、なんていう程じゃないのかもしれないけど、あの中にすんなり溶けこめる雪哉くんが少し羨ましかった。
「好きな子いないの?」
ちょっと中学生にしては大人びてる彼にそう聞いたら。
『...いないって』
否定されたけど、多分嘘をついてる。
誰を目で追いかけているの?何でそんな諦めた目をしているの?
『まぁ、そういう話は数年後にでもしようか』
「絶対だよ!?」
『さつきは本当にそういう話好きだな』
喜んだふりをして、その表情を見た。
ねぇ、本当は気付いているんでしょ?
自分に向けられたいくつもの矢印を。
雪哉くんはそのくらい完璧超人で、いつも心を隠す人。
でも、優しいのも知ってるから。私もその日が来るまでは優しく見守ってもいいかな?
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